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オリジナル・レア・ミントという言葉

インターネットショップ・オークションなどでもアンティークが買えるようになり、よく目につくようになってきた言葉に、「レア」や「オリジナル」といった言葉があります。

アンティーク時計を探されている人でも、「完璧なレアものが欲しいんだよね」といった話を良く聞きます。

ちょっと勘違いしやすいこの言葉とアンティーク時計について、確認をしておきましょう。

 

 


■ 100%オリジナルは存在するのか?


このトピックをはじめるために、まずは車を例に出してみるとわかりやすいかもしれません。

時計はある意味で車と良く似ています。エンジンがぜんまいで、ケースが車体、くるくる回る針がタイヤ・・・そんな感じです。

車をチェックするために車検に出すと、この部品が悪かったので交換しておきました。この部品は次回の車検の際に交換してください。等と言われることがあります。

車の全ての部品や機械などは、絶えず同じ動きをする・安全のためいつも良い状態で保たれる必要があるため、車検という制度があり、チェック・部品の交換が行われています。

この車検を時計で例えると、オーバーホールに当たります。

絶えず同じ動きをする・時差無く動くために常に良い状態で保たれる必要がある、そういう意味では車とまったく同じです。

時計は1日で86400秒、1年で31536000秒・・・というとんでもない時間を刻んでいるわけです。機能こそ違いますが、1年に数十万キロ走ることのある車と似ていませんか?

車ですらたくさん走っても・ほとんど乗っていなくても部品の交換が必要になってくるわけですから、100年も経ったほとんどが金属部品だけの時計が、部品の交換をしないで済む訳は無いと思いませんか?

100年ほど前の懐中時計たちを見てみると、ケース(特に金張り)の中にはGuaranteed 20 Years・20年保証とあるように、極端に言えば、作られたときに20年程度の使用しか見込まれていなかったか、20年ではないにしろ、100年も使われるとは予想されていなかったわけです。

少し両極端な2つの例を考えてみると・・・

仮に100年前の時計がまったく手付かずのオリジナルの状態で残されていたとしたら、オーバーホールも行われていない・使われてもいないわけですから、錆びていたり部品が固まってしまっていたり、現在でオーバーホールを行ったとしても部品を替えずに動く状態にすることは難しいでしょう。

また100年間、ちゃんとオーバーホールをされながら使われてきたとすれば、使用による傷みや部品の磨耗などがあるわけですから、どこかしら部品の交換は行われているとみるべきでしょう。

「100%オリジナルの状態の時計が存在するのか?」この質問の答えは、確実ではないにしろなんとなくそういうことなんだとわかってもらえるのではないでしょうか。

 

 


■ レアという言葉の意味


本当にアンティーク・インターネットの世界では、良く「レア」コンディション等という言葉が使われます。

「レア」と書いてあると、レア=オリジナルだと思っていませんか?

このレアという言葉は、商品説明をしたりするときに非常に使い勝手が良い、聞こえが良いことから非常に良く使われています。

ただ英語の本当の意味からすると、「珍しい」という言葉の意味になって、「オリジナルである」という意味はまったく無いのです。

レアコンディション・・・とあっても「珍しい状態です」となるので、ではどういったふうに珍しい状態であるのかは、そこで本来は説明がなされていないといけないのです。

またレアと同じように使われている「ミント」ですが、これはもともとはコインの収集家から使われ始めた言葉で、パッケージから出したままの状態・ほとんど新品同様(ただしパッケージからは出されている)という意味でした。

前のトピックにも書いた通り、時計では「ミント」という状態が果たして実際に使われるべき「ミント」のコンディションであるのかは、説明を書いた人によるでしょうし、ミント=オリジナルかどうかというのも人・お店によるでしょう。

かなり安易に使われているレア・ミントという言葉ですが、昨今ではやや雰囲気を表す言葉として使われているため、商品について詳しく・正しく説明をしている言葉ではないことをわかっておきましょう。

 

 

 

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イメージ/日本アンティーク時計協会

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