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アンティーク時計の誤差

アンティーク時計を手に入れる際に気になるものの1つが、1日のうちの誤差。

オーバーホール・修理を受ける人の中には、1分1秒の誤差も無い・デジタル時計と同じような正確さを求める人もいます。

アンティーク時計の誤差は無くなるのでしょうか?

 

 


■ 時代背景から考えてみる

・1900年代の初頭まで

アンティーク時計と呼ばれる時計たちが作られたのは、今から100年近くも前、1900年の初め頃の話。

まだ100年しか経っていない・つい最近のことのように思いませんか?でも実際のところ「既に100年が過ぎた」のです。

今と昔では何でも驚くほどに違う・違い過ぎます。

ここ数十年、恐ろしいほどの勢いで技術やテクノロジーが進歩し、パソコン・何でもデジタルというのが当たり前になりましたが、1900年頃はいったいどうだったのかを考えていくと、時計が当時どれほどの精度を求められていたのかわかっていただけると思います。

 

ちょっとしたもので例えると、電車はまだ蒸気機関車・路面電車だった時代。まともに走っていたでしょうか?現代のように時間通りに到着して発車することがあったでしょうか?

そして車なら「これが車?」と思ってしまうような、今では博物館や昔の時代をモチーフにした映画でしか見れないような車が走っていた時代。飛行機で言うなら、ライト兄弟がやっと初飛行をした、テレビも無かったそんな時代だったのです。

こんな時代にどれだけの精度が時計に必要とされたでしょうか?どれだけの精度を小さな時計が出せたでしょうか?

時計が機械的に、正確に作られだしたのも、もっともっと現代に近くなってからの話。昔の「工業的」に生産されていた頃でさえ、組み立ては人が行い、人が誤差を調節していたのです。

そう考えていくと、現代のような時報にもぴったりと合うような時計というのは、技術的に無理だった、そこまでの精度は必要が無かったと思いませんか?

 

 

中にはオーバーホールをすれば、アンティーク時計でも誤差が無くなる・デジタル時計と同じような精度が出る・・・と思われている方もいますが、中身の機械やそれぞれのパーツはこういった時代に作られたわけです。いくら丁寧に調整された・オーバーホールされたからといって、現代の時計と同じように誤差無く動くということはありません。

時計の固体によっても違いますが、当時のパーツで精度が保たれているのですから、1日のある程度の誤差というのはアンティークの味だと思って楽しんであげてください。

現代・現代に近くなって作られている機械式時計でこそ、姿勢差を調整できる機能を備えていたりするものですが、当時の機械にはそういった機能もありません。持ち歩いて時計の角度が変わったりすれば、そういったものに影響を受けるのが当たり前なのです。

オーバーホールが終わって、誤差が1日5分も出る・・・と残念がったりする人もいるのですが、こんな時代に作られたものが半日で2分30秒、 1時間で10秒ほどの誤差しかないと思うと、それだけで十分ではありませんか?

これもアンティークの味、時計や時間を楽しむ醍醐味というものです。

 

 

ですので、作られた年代・メーカーによっても違いますが、いくら高いお金を払って・素晴らしい時計士にお願いしてオーバーホールをしても限界はあります。

これからアンティーク時計を買おうとしている方は、こういった「アンティーク時計の特徴」も理解したうえで購入を検討してください。

どうしても誤差の無いアンティーク時計が欲しいという方は、いろいろなメーカー・ブランドが昔の時計のデザインの復刻版を作って販売していますので、そういった復刻版の新しい時計を買うことも検討してみてください。

毎日カリカリとリューズを巻き、駅や携帯電話の時間を見ながら時刻を合わせてあげる、「この時計は1日で○分遅れる」と時計の体調をわかってあげるのも、アンティーク時計を持つ1つの楽しみです。

 

 

 

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イメージ/日本アンティーク時計協会

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