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神経質になり過ぎる必要はありません

アンティーク時計を持つ方の中には、宝物のように大切にされている・机に飾られているだけの方もいます。

もちろんそう扱われるだけの時間を経て現代に残っているのですから、そういった使い方やケアの仕方ももちろん1つです。

では、実際のところはどのくらいの注意を払ってあげればいいのでしょうか?アンティーク時計を買いたいけどちょっとめんどくさそうという方のための、普段使いの知識です。

 

 


■ 昔はどうだった?


今の生活と100年前ぐらいの生活を比べてみると・・・今の生活は昔とは比べ物にならないほど、「落ち着いている」と言えます。「え?こんなに毎日忙しくてバタバタしているのに」と思いませんか?

実はそうでもないんです。昔と比べると、移動手段も発達していて、道路だってほとんどが舗装されているわけです。昔なら移動するのに道はボコボコ、車が普及していない時代だと人々の一般的な移動手段は馬車だったり蒸気機関車だったりしたわけです。

そう思うと、そんな環境の中で使われていた時計たちが現代に対応できないはずはないと思いませんか?

これだけいろいろなものが発達して、普段生活するうえで振動も少なくなっているわけですから、ちゃんと整備さえされていればそれほど気を使うことはありません。

 

 


■ 結構衝撃にも強い


「衝撃に気をつけてください」これはアンティーク時計を買う時に良く注意されること。ではどれだけ衝撃に弱いのか・・・ということですが、実はそれほど「弱い」というわけでもありません。先にも書きましたが、普段使いする上での振動はほとんど故障の原因にはなりません。

問題になる衝撃は落下。私自身も「あっ!」と落としたりすることが良くあります。でも落とした場所がじゅうたんなどの柔らかいものなら、あまり壊れることはありません。今のところ落とした数で確率的に考えると10%あるかないかです。

故障の原因はひげぜんまい部分。損傷というものではなくて、「外れた」というレベルですので、修理に出せばすぐに直してもらえる箇所です。料金はお店にもよりますが、普通はかなり安くすみます。

普段使っていて「落とす」ということはほとんど無いと思います。「落とす可能性」が最も高いのは家にいるとき。時計を着けたりはずしたりする時なので、そのときにしっかりと注意していれば問題はほとんどありません。

 

では落とした場所がコンクリートなどの固い場所だった場合。これはその時計によります。

腕時計などは比較的軽いのでケースに傷が付く程度で、最悪の場合で風防が割れたりヒゲゼンマイ辺りが外れてしまうぐらいですので、修理に出してもすぐに直してもらえます。(ヒゲゼンマイが外れてしまう程度なら安く直してもらえるはずです。風防の交換は、プラスチック製なら安く、大きな懐中時計でガラス製のときはちょっと高くなるときがあります)

大型の懐中時計はさすがに大型だけあってかなり頑丈です。落とすと時計自体が重たいので、ケースには結構深めの傷が入り、風防も欠けることがありますが、中の機械に関しては大きいだけあって作り自体が頑丈で、壊れてしまうことはあまり無いようです。

あとは陶製の文字盤を持つ時計の場合ですが、加わる衝撃によってですが、ひびが入ることはあります。素材の関係でどうしても仕方のないことですが、なるべく気をつけて持ち運びをしてあげましょう。

 

 


■ 磁気に対しては?


もう1つよく言われているのは磁気。これがどうしてダメなのかというと、時計の心臓部ともいえる常時くるくると回っているひげぜんまいの動きに影響してしまうからです。

ヒゲゼンマイと言われているだけあって、このゼンマイはまるで人間の毛のよう。ちょっと剛毛な人の毛のようです。

金属でできた髪の毛のような部品がくるくる回っているだけですので、磁力を帯びてしまうとちゃんと回らなくなってしまいます。

普段は携帯を使いながら時計を使っていますが、あまりすぐには問題にならないようです。ただやはり「電気で動くもの」の近くに常時置くのは避けています。例えばテレビの上、冷蔵庫の横・パソコンの横などです。

【 爪楊枝の先と大きな懐中時計のヒゲゼンマイ 】

これで「大きな懐中時計」のヒゲゼンマイなので、小さな懐中時計や腕時計のものはもっと細いわけです。

 

一発でアウトになってしまうケースは、子供をお持ちの方は特に要注意ですが、磁石をぴったりとくっつけてしまった時。

ヒゲゼンマイ部分が磁気を帯びることもそうですが、金属である他の部分・ケース・ネジまで磁気を帯び、普通は左右に振ると動くはずの部分がコメディのように「ピタッ」と静止したままになってしまいます。動け!と思いっきり振ってみても、磁気でまったく動きません。

 

 


■ 消磁機には要注意


「時計の誤差は消磁することで直る!」といううたい文句を見たことはありませんか?

インターネットなどで売られている「磁気を消す機械」ですが、これが実は要注意。機械は「消磁」するためだけのはずですが、使い方次第でおもいっきり帯磁させてしまう可能性があります。

実は消磁と帯磁をさせるのはどちらも同じような原理で、「消磁&帯磁」という機械もあって、構造自体はどちらも同じ・働きも似ています。

安い消磁機の場合、部品・時計の通し方や使い方次第で恐ろしいほど帯磁してしまうので、修理するつもりが逆にさらに悪化させてしまうことがあります。

磁気が原因だとわかっていても、消磁をしてもらうのは専門店・修理士さんに任せるのがお勧め。安い消磁用の機械が数千円なのに比べて高い機械は数万円。結果が違うのも当然です。

 

 


■ 水に対しては?


アンティーク時計も昔は雨の中でも使われていたものです。「雨の日に使わないで」というほど気にするものではありませんが、こんな注意点があります。

懐中時計の場合は胸元のポケットにしまったりカバンに入れているものですので、雨の日に使っても問題は無いでしょう。小雨でちょっとぐらいケースに雨が当たるぐらいは問題ありません。時計の中に雨が入らないようにだけ気をつけてください。

バチバチと雨に当たってしまうのはもちろんダメです。

 

腕時計の場合はちょっと違っていて、雨も問題という意味では懐中時計と同じですが、それより問題になるのが湿気です。

雨が多くなると空気中の湿度も高くなり汗もかきやすくなります。腕時計は腕に密着していますので、体から出る蒸気・水分が時計に入ってしまうことがあります。

気づいたら「時計のガラスが水滴で曇っていた」、こうなるとその状況では使ってはいけません。できるだけ早めに乾燥した場所に置いて乾かしてあげてください。(錆びる原因になりますので、オーバーホール時期が近ければなるべく早めにオーバーホールを受けてあげてください)

 

 

もちろん雨以外には「水」に漬けるのは厳禁です。古い時計には防水機構はありませんし、ケース・風防・リューズの周りなどに隙間があるのが普通です。水に漬けるとすぐに中にまで水が浸透します。

アンティーク時計を水に漬ける人はいないはずですので、より気をつけていただくとすれば「湿気」でしょう。

雨の日や湿気の多い日はデジタル時計や新しい時計を使うのがお勧めです。アンティーク時計・機械式時計愛好家も実は雨の日にはデジタル時計を使っている方がほとんどです。

アンティーク時計は年齢で見ると「おじいちゃんやおばあちゃん」。愛好家はその辺りもわかって、アンティーク時計を労わり楽しんで使っています。

 

 


■ 総合すると・・・


アンティーク時計の「性格」を知って、うまく付き合えばそれほど神経質になることはありません。

まず普段使いする程度の振動や衝撃は大丈夫だということ。そして落としてしまっても柔らかい場所なら大丈夫で大事にはならない。

磁石の近くや電磁波の出そうなものの近くには置いておかない。雨の日はデジタル時計や新しい時計を使う。このぐらいでしょうか。それほど難しいことも無いですね。




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イメージ/日本アンティーク時計協会

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